2015年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

ウェブページ

無料ブログはココログ

« 『玄洋社 封印された実像』 石瀧豊美 | トップページ | 最近の出入時の様子 »

2015年5月25日 (月)

『国士 内田良平』 監修者代表・中村武彦

 

 大正十三(1924)年、排日条項を含む新移民法案が米国議会(下院)で
可決された。~中略~そしてこの時点でアメリカに居住する東洋諸民族
(支那を含む)の移民は全て法的に規制された。
 当然、日本国内は憤激する。5月31日には「亜米利加合衆国国民ニ訴フ」
との一書を認めた烈士が、赤坂米国大使館脇の邸内にて抗議の自決を
行うという事件が起こる。この無名烈士の遺骸は黒龍会が申し受けて通夜
を行い、さらには良平が弔祭委員長となり葬儀を執行したが、参列者は三
万人にも及んだという。

                   ― 『国士 内田良平』 第五章より ―”

 

黒龍会(Black Dragon Society)

 

 黒龍会は内田良平により1901年に結成され、当初はロシアの南下政策
に対する国内外での多様な活動を行っていたという。
P5250200_2

 

 内田良平も頭山満と同様に「右翼」の形容が付きまとう人物で、実際その
定義に当てはまるところも多々あるがやはりその形容に収まらない幅広い
活動を行っていたのがこの本を読めばよく分かる。

 

 天佑侠での朝鮮半島での活動やその後の朝鮮と日本との対等な合邦へ
向けての活動、孫文、その他アジアの独立運動家への支援活動、国内での
純正普選運動等々、教科書では教わらなかったことが分かり、これを読めば
歴史の見方が大きく変わる人も多いかもしれない。

 

 個人的には皇室あっての日本という考え方、宗教団体との関わりといった
部分は受け付けられないが、やはり教科書に載せるべき人物の一人である
ことに変わりはない。

 

 情報の出所の記載はないが、太平洋戦争終戦時、すでに亡くなっていた
内田良平がGHQによる民間人の戦犯指定の最初の人物だったという。
それだけ恐れられる、憎まれるというのもやはりこの本を読めばよく分かる。

 

 余談だが、僕の母方の祖父母の名前の最初の漢字は二人とも「良」、そして
その子供、長女(叔母)の名前は「良」の読み方を別の漢字にあてた名前、
次女(僕の母)の名前の最初の漢字は「祐」、天佑侠は当初「天侠」と新聞等
で表記されていたという。
そういったことからやはり玄洋社と同じでもっと早く知っていたらとの思いが
強い。

 

 祖父母は僕が中学に入る前に二人とも亡くなっていて二人の記憶も殆ど
無いけれど、母が時々祖父のことを話してくれて、東京に住んでいたころは、
コロムビアのレコードプレス工場で働いていて、ナット・キング・コールと野球が
好きなとても優しい人であったという。
もっと長生きしてくれていたら、名前のことは偶然なのか関係があるのか聞けた
と思うととても残念だ。

 

 内田良平や頭山満、あるいは玄洋社、黒龍会が主役、テーマのドラマや映画
はいつ製作されるのかと思うと、これは当分無理だろうなという人は多いだろう
けど本当は彼らを主題にした映像作品を作りたいと思っている人は多いはず。
早く彼らの願いが叶うような日本になって欲しいが、やはり当分は無理だろう。
今作られてもあちこちの国々に要らない配慮をした酷い作品にしかならないから
急げとは言わないけれど、なんだか色々ともったいない。

 冒頭の引用に関する件ですが、黒龍会は1919年のパリ講和会議での日本代
表の人種差別撤廃法案の提出に関わっている記述もある。
忘れただけかもしれないが、これは学校では習った記憶がない
もしもこれが歴史の教科書に載ってないとしたら、戦後、国民に隠して行われて
いる残酷非道極まりない活動が影響しているのかもしれない。
「人種差別反対と言ってるがお前の国には部落差別というものがあるじゃないか」、
というあてつけのようなものが「何か」の原因の一つのようにも思える。

 制度としては明治時代で無くなっているが、差別自体は今なお残っている国で
人種差別撤廃より先に解決しなければいけない事ではあるが、政府がああだか
らもうこれは仕方がないのか。
根本的な解決のためには制度の改正より人々の認識を変えることが重要だが
国として問題に真正面から向き合ってるように見えないし、やる気もないのだろう。

 なお、この法案は賛成多数にも関わらず、議長である当時のアメリカ大統領
ウィルソンにより否決されてしまう。

 ジョン・ケールの1973年発表のアルバムタイトル曲「Paris 1919」はこの件に関
する歌。歌詞にあるWilsonは勿論、ウィルソン大統領のこと。

 

.
.
.
.

« 『玄洋社 封印された実像』 石瀧豊美 | トップページ | 最近の出入時の様子 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 『玄洋社 封印された実像』 石瀧豊美 | トップページ | 最近の出入時の様子 »